ジェベル125/200の丸型ヘッドライトは、1990年頃までに生産された自動車に採用されている「汎用丸型二灯式」という規格のヘッドライトと同じサイズです。
汎用丸型ヘッドライトについての歴史を紐解くと、昔は「シールドビーム」といって、ヘッドライトとバルブが一体式になって交換不可な規格でしたが、その後、「ハロゲンヘッドランプ」になってバルブが自由に交換出来るようになりました。
80年代当時はハロゲンバルブというだけで明るい部類だったのですが、ラリー競技車のように更なる明るさを求めて強化リレーに交換して「ハイワッテージバルブ」を装着する方法が流行った後、ハロゲンバルブ内部に封入するガスを変え、純正と同等の60/55w程度の電力でも100wクラスの明るさを実現する「高効率バルブ」が発売されて人気となりました。(ハロゲンヘッドライトの規格はH4というバルブが多く採用されていました。)
汎用丸型ヘッドライトはこの「バルブを交換できる」ということがメリットで、その後はコンピューター解析によってリフレクターの光の反射を効率よくする方法が確立されてからは、レンズカットの無い「マルチリフレクターヘッドライト」が登場し、その後すぐに放電発光による「ディスチャージヘッドランプ」、LEDの高効率化による「LEDヘッドランプ」へと進化していった自動車のヘッドライトの進化に対して、それぞれのバルブに交換することで対応してきました。
毎年たくさんの新しいデザインの自動車が発売されているのに、汎用丸型ヘッドライトはその形のまま、HIDコンバートキットやLEDバルブへ交換するだけで最新のヘッドライトシステムが装着できるということはスゴイことだと思います。
90年代ごろから多くなった車種専用の「異型ヘッドライト」では、バルブは交換できてもヘッドライト自体をマルチリフレクター化するには社外品が発売されていなければ不可能ですからね。
規格さえ同じならば、例え30年前のクルマで純正が古くて暗いシールドビームのヘッドライトだったとしても、現在販売されているマルチリフレクターヘッドライトに交換するだけで簡単に新品が手に入る上、HIDやLED化で省電力とまばゆい明るさまで両立できる機能パーツっていうのはなかなか珍しいと思います。
かくして技術革新の激しい自動車部品において、驚きの長寿を誇る汎用丸型ヘッドライトを採用しているジェベル125は自動車同様に
ヘッドライトのアップデートも可能だということになります。
そこでジェベル125の純正ヘッドライトから、より明るく個性的なヘッドライトに交換してみようと考えた時、自動車用として発売されていたマルチリフレクターヘッドライトで、内部にプロジェクター風のレンズが装着されている変わったヘッドライトが販売されていたので、早速入手してみました。

(その2へ続く)